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ナイキ、米関税影響緩和へ中国生産縮小を計画 株価急伸

2025年06月27日(金)10時19分

米スポーツ用品大手ナイキは6月26日、米国の輸入関税により約10億ドルのコスト増が見込まれると発表した。4月2日、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Kylie Cooper)

[26日 ロイター] - 米スポーツ用品大手ナイキは26日、米国の輸入関税により約10億ドルのコスト増が見込まれると明らかにした。その上で、中国での生産への依存を減らし、影響の軽減を目指す方針について説明した。

また、併せて公表した第1・四半期(6─8月)の売上高見通しは予想より小幅な落ち込みにとどまり、株価は引け後の時間外取引で11%上昇した。

マシュー・フレンド最高財務責任者(CFO)によると、最大の関税引き上げの対象となった中国は、ナイキが米国に輸入するシューズの約16%を占めている。

同社は生産を他国にシフトすることで、2026年5月末までにこの数字を「1桁台後半」まで削減することを目指している。

フレンド氏は関税の影響に対処するためコスト削減を検討するとも述べた。ナイキは米国で既に一部商品の値上げを発表している。

モーニングスター・リサーチのアナリスト、デービッド・スワーツ氏は「関税の影響は大きい。しかし、他のスポーツウェア企業も値上げするとみられるため、ナイキは米国でそれほどシェアを失わない可能性がある」と述べた。

同社はこの日、第1・四半期の売上高が1桁台半ばの減少になるという見通しを示した。市場予想(7.3%減)よりも小幅な落ち込みにとどまる見込みだ。

第4・四半期決算でも売上高が市場予想より小幅な減少にとどまり、利益は市場予想を上回った。スポーツ分野に製品開発とマーケティングの焦点を絞るエリオット・ヒル最高経営責任者(CEO)の戦略が成果を上げ始めている。

第4・四半期の売上高は前年比12%減の111億ドル。LSEGがまとめたアナリスト予想は14.9%減の107億2000万ドルだった。マーケティング支出は前年比15%増加した。

ロイター
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