米新規失業保険2000件減、労働市場安定も失業期間の長期化示唆

米労働省が22日発表した17日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比2000件減の22万7000件だった。2023年1月撮影(2025年 ロイター/Brian Snyder)
Lucia Mutikani
[ワシントン 22日 ロイター] - 米労働省が22日発表した17日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比2000件減の22万7000件だった。市場予想は23万件で、雇用の伸びが5月も安定したペースとなっている一方で、失業者が新たな仕事を見つけるのが困難になっている様子も示唆した。
連邦職員の申請件数は増加基調にあり、1週間遅れで報告される連邦職員失業保険制度(UCFE)プログラムの5月10日までの1週間の申請件数は前年比で急増した。
4月の失業期間の中央値は10.4週間と、3月の9.8週間から大幅に延びた。企業の人員増加に慎重な姿勢を背景に、失業期間が長期化していることを示唆した。
5月10日までの1週間の継続受給件数は3万6000件増の190万3000件と、2021年後半以来の水準に戻った。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は、継続受給件数の小幅増は、労働需要の軟化を示す兆候と解釈でき、一部の人々が職探しに苦労している可能性を示唆していると指摘。「しかし、労働市場の軟化が本当に景気後退(リセッション)の兆候であれば、データを見るまでもなく明らかな変化が現れるはずだ」と述べた。
パンテオン・マクロエコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は、「関税政策による価格上昇を受けて第3・四半期の消費者支出が上振れ基調から下振れ基調に転じるにつれ、多くの雇用が失われる公算が大きい」と指摘。「解雇ペースの加速と新規雇用の減少により、週間失業保険申請件数は6月末までに約25万件に増加する」との見方を示した。
今回のデータは5月の米雇用統計の調査期間と重なっている。