コラム

K-POPの祭典『KCON JAPAN 2025』レポート 最先端のパフォーマンスに3万人が熱狂

2025年05月20日(火)12時00分
ZEROBASEONE

『M COUNTDOWN STAGE』でトリをつとめたZEROBASEONE 「KCON JAPAN 2025」ⓒ CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

<第5世代の代表格から日本発ME:Iまで、K-POP最前線の饗宴>

K-POPファンにとってはおなじみの大型フェスティバル『KCON JAPAN 2025』(以下、『KCON』)が5月9日~11日の3日間、千葉・幕張メッセで開催された。このイベントが始まったのは2012年。当時、東方神起やBIGBANG、少女時代といった第2世代のブレイクで一気に支持層が広がったK-POPを世界的により身近なジャンルにしようと企画されたもので、米国からスタートした。以降は年に一度のペースで行われている。

K-POPのコンサートをメインに韓国の様々なカルチャーを紹介するスペースを設置したユニークな構成・内容が評判を呼び、現在は2015年からコロナ禍をのぞき毎年開催となった日本を含む世界14地域で実施されるほどの人気イベントに成長した。本稿では『KCON』のハイライトと言える公演『M COUNTDOWN STAGE』の3日目(11日)の模様をお届けしたい。

注目の新人から実力派まで多彩なパフォーマンス

KiiiKiii(キキ)

"IVEの妹分"として注目を集める新人・KiiiKiii(キキ) 「KCON JAPAN 2025」ⓒ CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

『M COUNTDOWN STAGE』は旬のK-POPスターが次々と登場するコンサートで、毎回チケットが発売されるとすぐにソールドアウトになるほどの人気がある。この日は本編の前にニューフェイスを紹介。レトロなヒップホップで勝負する男性7人組・NEWBEAT、清涼感のある歌声を響かせる女性5人組・ODD YOUTH、陽気なサウンドが売りの男女混成トリオ・SIKKOO(シック)が会場の空気を一気に温めてくれた。

本編は"IVEの妹分"として注目を集める新人・KiiiKiii(キキ)のステージでスタート。この5人組は今年3月にデビューしたばかりだが、華麗なサウンドとビジュアルで早くも大きなスポットライトが当たっている。今回は大先輩・2NE1のヒット曲のカバーやデビュー曲を披露して場内を沸かせた。彼女たちの動向は、NewJeansやLE SSERAFIMが好きなリスナーであれば押さえておくことをお薦めしたい。

日本のK-POP人気を支えているのは主に10~20代の女性たちだが、今回の公演もそのような層を意識したのか、大ブレイク中のボーイズグループが多く参加している。まずはCRAVITY(クレビティ/2020年デビュー)。どんなタイプのサウンドにも対応できる高度なテクニックを持つ9人組で、トライバルなリズムに乗りながらキレのいい一挙手一投足をアピールした。カバーソングも定評があり、今回のステージではNCT127の「Fact Check (不可思議)」にチャレンジ。原曲の良さを損なわずに自分たちのカラーに染め上げているのは、さすがとしか言いようがない。

CRAVITY

キレのいいステージを見せたCRAVITY 「KCON JAPAN 2025」ⓒ CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

プロフィール

まつもとたくお

音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を始め、数々の専門誌・ウェブメディアに寄稿。2012年にはK-POP専門レーベル〈バンチョーレコード〉を立ち上げ、イ・ハンチョルやソヒといった実力派を紹介した。現在は『韓流ぴあ』『ジャズ批評』『ハングルッ! ナビ』などで連載。LOVE FMLuckyFM楽天ポッドキャストの番組に出演中。著書は『K-POPはいつも壁をのりこえてきたし、名曲がわたしたちに力をくれた』(イースト・プレス)ほか。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英中銀、四半期ごとの利下げ「速すぎる」 とピル委員

ワールド

イラン最高指導者、核協議巡り米を非難 「言語道断」

ワールド

台湾輸出受注、4月は前年比+19.8% 米関税控え

ワールド

WHO年次総会、パンデミック条約採択 感染症対策を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:関税の歴史学
特集:関税の歴史学
2025年5月27日号(5/20発売)

アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応。歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国は?
  • 4
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 5
    【裏切りの結婚式前夜】ハワイにひとりで飛んだ花嫁.…
  • 6
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 7
    実は別種だった...ユカタンで見つかった「新種ワニ」…
  • 8
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 9
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 10
    日本人女性の「更年期症状」が軽いのはなぜか?...専…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 7
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 8
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 9
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 10
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
OSZAR »