ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
Parkinson's Disease Linked to Living Near Golf Courses—New Study

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<先行研究でも農薬に含まれる化学物質と神経変性疾患との関連が示されているが、発症率がほぼ2倍という最新の研究結果について>
ゴルフ場から1マイル(約1.6km)以内に住む人は、6マイル(約9.7km)以上離れて住む人に比べて、パーキンソン病を発症するリスクが126%高い──
そのような研究結果が、「米国医師会雑誌(JAMA)」に掲載された最新論文で示された。
本研究を主導したブリタニー・クルジャノフスキ博士(Dr. Brittany Krzyzanowski)らによると、ゴルフ場周辺の水が飲料水として供給されている地域では、特に影響が大きいという。使用されている農薬が発症数に関連している可能性があると指摘する。
パーキンソン病は神経変性疾患の1つで、全世界で約1000万人、アメリカだけでも約110万人が罹患しているとされる。現在、治療法はあるが、根治療法は存在していない。
研究チームは、アメリカ全土のゴルフ場の所在地データと、「アメリカ地質調査所(USGS)」のデータを組み合わせ、ウィスコンシン州とミネソタ州の27郡にまたがる224の水道供給地域を対象に分析を行なった。
また、「ミネソタ州地理情報局」の提供による711の公共の井戸のデータも活用し、ゴルフ場への距離と発症率の相関関係を調査。1991年から2015年の間に、ミネソタ州オルムステッド郡で発生したパーキンソン病の症例は450件に上った。
「ゴルフ場の近隣住民のパーキンソン病の発症率は一貫して高く、その距離が遠くなるほどリスクは直線的に低下していた。ゴルフ場から遠くに住む人ほど、発症リスクが低かった」